火星への旅  

NASAは2030年代に人類が火星に降り立つという目標を掲げたようですが、果たして実現可能なのでしょうか?私の知る限りの課題と可能性を探って考察したいと思います。


火星には既に多くの無人探査機が着陸して現地調査を行っているのは既知の事実です。なので、月面着陸の延長ですぐにでも実現しそうな有人火星着陸ですが、実はそんな簡単には実現は出来そうにない状況です。

まずは現段階での克服すべき課題を列挙してみます。

・火星までの片道には最短でも7ヶ月かかる
・宇宙船のクルーの食料確保や心身の健康状態の維持
・宇宙放射線問題
・火星への安全な着陸技術
・着陸に成功しても地球へ無事に帰還するための方法
・火星で長期間(最短でも半年)滞在する方法(エネルギー、水、食料問題、呼吸するための酸素確保等)
・火星の砂(砂嵐や通常の状態でも人体や精密機器への悪影響)
・長期間無重力でいることの人体への悪影響


とまあ、細かく検証すればもっとあるのでしょうが、最低でも克服しなければならない課題はこれだけあります。

月面着陸と比べて難易度が格段に違うのは、まずその飛行距離です。
月とは直線距離でおよそ38万Km、火星までは最接近時でおよそ5600万Kmと桁違いに遠くにあります。また、これは直線距離なので、実際の飛行は互いに公転している運動を考慮しなければならず、最新のロケットで最短コースで飛行しても7ヶ月かかる距離を飛行しなければなりません。
月面着陸の時は往復で1週間程度でした。

その長すぎる飛行時間に伴って問題となってくることが多くあります。
まず、呼吸に必要な酸素の確保、水や食料、無重力による健康被害、地球の保護のない空間での放射線被曝、そして狭い空間に限られた人間同士で長期間に渡って過ごす心の健康問題とどれも深刻な問題で、これらの課題には現段階では確立された確かな対策はなく、越えなくてはならないハードルはかなり高いと言えます。

仮に上記の問題を克服したとして、火星に辿り着いた先に待ち受けるのが着陸問題、火星での生活、地球への帰還方法です。

まず、着陸。普段地上で生活していると特段意識しませんが、物体を動かす、あるいは自分で走るなど、運動した時に運動を停止させるのには運動をする時と同じエネルギーを使います。地上では摩擦や空気抵抗があるので私達は運動しているものは自然と止まると思いがちですが、真空の宇宙空間では逆噴射などの手段を用いないと止まれません。現在のロケットは地球の重力圏を抜けるのに殆どの燃料を使い果たしてしまい、およそ時速5万キロまで加速したロケットを減速するための燃料は火星に到着するまでには残っておりません。

では、燃料を増やせばいいって?実は燃料を増やすとロケット自体の重量も増すので結局発射時に殆どの燃料を使い果たしてしまいます。

既に着陸に成功した無人探査機はどうやって着陸したかと言うと、火星にも僅かながら大気があり、大気との摩擦とパラシュートで減速、さらに逆噴射で無事着陸に成功しています。ですが、無人探査機は重くてもせいぜい1tくらいなので、現在の技術でも何とかなりますが、有人の宇宙船はそんな重さではないし、安全面でも不十分です。

シャア少佐助けて下さい!減速出来ません!



また仮にですが、着陸技術が確立されたとして人類が火星に無事降り立ったとしましょう。次に人類を待ち受けているのが、火星でのサバイバルです。


無事に火星に着陸出来てもすぐに地球に帰還できる訳ではありません。仮に先に物資を送っておいて、現地で組み立てて飛ばすなんて離れ業は出来ないし、仮に既に帰還用のロケットが用意されていても、すぐに地球へ飛び立てない理由があります。
それは、地球も太陽を公転しており、その好転速度は火星よりも速く、火星へ到着した時点で出発しても、地球を出発した時と同じ時間で帰還できないのです。
それどころか永遠に帰還出来ない可能性もあります。
細かい話は割愛しますが、火星への往復には最適なタイミングがあり、出発、帰還ともに決まっています。安全に飛行期間も最短にするには火星で半年は過ごさないと帰還のタイミングがやって来ません。それまでの半年、酸素も水も食料もない荒涼とした人間にとっては致命的な火星の環境で生活をしなければなりません。

これを解決する案として、先にロボットや物資を送って生活出来るコロニーやエネルギー、水、食糧生産の確保を立案しておりますが、どれも計画段階でまず、人間が生きていく上で最低限必要な酸素、水の確保が火星で確保できるか見通しも立っていません。昨今の無人探査で、地下には氷が存在していることは分かりましたが、それを飲料用、生活用水として利用出来るようにする技術も確立されていません。

こうして、火星への有人探査についての課題をブログに綴っているだけで悲しくなるほど否定的な見解をしているだけのように見えますが、決して不可能と言っている訳ではありません。課題を解決するだけのテクノロジーが実用化されていないだけで、それは全く目処が立っていないレベルでもなさそうです。
ただ、現時点では不可能に近いレベルです。

私が知る限りでは、人類が火星に降り立つ日は2048年8月2日だと思っています。
理由は有人火星探査に最適なタイミングは15年に一度、2030年代だと2033年になりますが、それまでには13年しかありません。それまでに課題となっている問題がクリアになるかは分かりませんが、現段階ではかなり難しいと思います。

未来のことは分かりませんが、人類が解決しなければならない課題は他にもありますね。戦争や飢餓、環境問題etc・・・。


私?私の場合、老後の生活費用かな?

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