もう既にテック好きの方ならAppleから発売されたM1チップと言うApple独自に開発したSoC(スマホに搭載されているようなチップ)を搭載されたAppleのPCを手にしてる、あるいは情報を得ているかも知れません。
そうでない方でもスマホやパソコンに全く触れない方は少ないと思います。
その身近なデバイスに地味ですが、革命が起きていると言っても過言ではありません。発売される前までは技術者出身の有名YoutuberがM1チップなど大したことはないと力説しています(笑)
お時間のある方は下記のリンクからご覧ください。
新型Mac M1チップ アップルシリコン 最悪です
このmegumi sakaues氏は後の動画でM1チップ新型Macについて考え方を変えたようですが、私の見る限り彼女は専門的な知識と技術の持ち主で鋭い視点で人気のYoutuberですが、その彼女の常識まで覆してしまう「事件」が今回起こったようです。
私は技術者ではないので、彼女のように突っ込んだ見方はしていませんでしたが、製品が発売される前のプレゼンで、M1チップの回路は5nm(ナノメートル)と発表されていたので、科学ヲタクの私としてはそのスケールに驚いておりました。
1nmは1億分の1メートル。原子の大きさはおよそ0.1nmなので原子十個分のスケールの回路です。

何億分の1と言われてもイメージがわかないので、身近な例と比べると少し想像がつくかも知れません。私たちが普段、目にしているもっとも小さなものとなると髪の毛かも知れません。1nmは髪の毛のおよそ10万分の1くらい・・・
と言ってもやっぱり想像がつきませんね(笑)
本当にとってもミクロな世界です。
私が疑問に思うのは、これだけ回路を小さくしてしまうと「量子効果」と言う現象を無視出来ないのではないかと思うのです。量子効果の詳しい解説は割愛しますが、回路は電子が行き交う道路と考えてもらって良いと思います。
その道路が小さくなればなるほど、量子の不思議な振る舞いに悩まされることになると考えれています。簡単な例で言うと、障壁がある隣の道路に突然電子が予告もなく飛び移ってしまうなんて現象が起きるのです。
私達の常識では「壁抜け」なんてSFの世界の話で現実の話とは思えないですが、ミクロな世界では通用しません。実際に実験で確認されている現象なのです。
つまり、電子回路の集積度を極小にするほど、予測出来ない誤動作を誘発するのです。M1チップに限らず、既にIntelなどのチップでも多少起こっているとどこかで聞いたことがあります。現在はその誤動作とうまく付き合いながらチップを製造しているはずですが、Intelの最新チップでも12nmでやっと次は7nmに挑戦と言うレベルですから、Appleの5nmはいかに誤動作を起こさずにチップを製造できたのか科学的に興味がありますね。もちろん、企業秘密でしょうから、教えてはくれないでしょうけど・・・
いづれにしても、今回のAppleの作ったM1チップは集積度だけでなく、回路の構造、ソフトウエア等を最適化しているので、想像よりもアプリの動作が速く電力消費も抑えられているので革命的と言って良いでしょう。
テックの常識を持っている方からすると、スマホのチップでパソコンレベルのパフォーマンスなんて出せる訳が無いと思い込んでいたようですが、この私達の「常識」こそ、もしかしたら最大の「壁」なのかも知れません。