核エネルギーについて    〜核爆弾から発電まで〜

何やら小難しいタイトルですが、「核爆弾」やら「原子力発電」という言葉は聞いたことがあると思います。あまり良いイメージがないのは「危険」やら「平和を脅かす」事件からだと思います。
第二次世界大戦の終戦間際に広島と長崎に落とされた「原子爆弾」、2011年3月11日の東日本大地震で事故にあった福島原発事故は大勢の方の記憶にあると思います。前者は戦時中で、後者は戦後に平和利用の為ですが、どちらも悲劇を産みました。
今回はこの「核反応」と呼ばれる仕組みを出来るだけ簡単に解説することにチャレンジしてみようと思います。

この仕組みを解説するにはまず、原子の構造とそれに働く自然界の「力」を簡単に説明しよと思います。
原子は物質の最小単位と学校で習った事はあると思います。原子には内部構造があり、原子核とその周りを回る電子で構成されています。原子核も更に内部構造があり、陽子中性子という基本粒子で出来ています。

これだけで眠くなる(笑)


現在では陽子や中性子も更に「クォーク」と言った素粒子で構成されていると考えられていますが、ここではややこしくなるのでその解説は割愛します。

「陽子」「中性子」と言った名前がついたのには理由があって陽子は電気的に「+」の電荷を持っており、中性子は電気的に「中性」なのでこのような命名がされました。また、その周りを回る電子は電気的に「ー」の電荷を持っています。よく見ると科学の用語は安易につけた命名が多く、一度理解してしまうと割とイメージが湧きやすいと思うのは私だけ?w
「電磁気力」で解説したように、「+」や「ー」と言った電荷を持つと言うことは陽子や電子にも電磁気力が働いています。
磁石のように「+」と「ー」は引き合い、同じ「+」や「ー」同士なら反発します。
原子核は「陽子」のみ、あるいは「陽子」と「中性子」で出来ているので、電気的に「+」になり、電子は「ー」なので、引き合っています。
電子が原子核に落ち込まないのは、少し語弊がありますが、電子が原子核に落ち込まないように運動しているから。

ここで、不思議に思うのは、陽子と陽子が原子核ではくっついていること

磁石では「+」あるいは「ー」同士は反発しますよね?そうなんです!


陽子や中性子と言った原子核の粒子同士が合体するには電磁気力より強い引力で合体する必要があります。
この力を「強い力」と言います。何故「強い力」なのかは、電磁気力より「強い」から。どうです?安易なネーミングでしょう(笑)
科学者も人間です。もっと気の利いた名前の用語もありますが、大体こんなものです。
この「強い力」は陽子などの粒子が電磁気力の力を振り切って十分に近づいた時に働く性質があります。
「錬金術は可能か」で軽く解説しましたが、太陽みたいな恒星の内部では高温、高圧の状態で陽子同士が合体出来る環境にあり、このように原子核の粒子同士が合体することを「核融合」と呼んでいます。その合体の時に非常に莫大なエネルギー(電磁放射線=光)が放出されます。そのエネルギーの恩恵を受けて今日の地球がある訳です。

一方で原子核同士が合体していくとあるところで「核融合」は止まります。恒星の内部ではこれ以上核融合が進まない物質が生まれるからです。その物質とは「鉄」です。細かい話は割愛しますが、自然界の原子で最も安定している原子は「鉄」らしいです。それ以上原子核が重くなると原子核をくっつけている「強い力」でも結合を保つのが不安定になるようです。そして、結合が融けてしまう現象を「核分裂」と言い、やはりこの時にもエネルギー(電磁放射線=光)が放出されます。

そのエネルギーは「核融合」より弱いですが、ダイナマイトなどの火薬の爆弾に比べたら遥かに莫大なエネルギーを放ちます。
また同時に高エネルギーの電子や陽子、中性子も放出されます。それらも「放射線」の一種で、「粒子放射線」とも言われます。この核分裂時に作用する力のことを「弱い力」と言います。こちらは電磁気力よりも弱いのでこの名前がつきました。やはり安易ですねw
さて、前置きが長くなりましたが、これらの核反応を応用した「原子爆弾」「水素爆弾」「原子力発電」について解説していこうと思います。

・原子爆弾の仕組み
広島と長崎に落とされた原子爆弾は先に解説した「核分裂」反応を利用した装置です。また原子力発電も原理は一緒です。
「核分裂」を起こすには原子核が不安定な原子を使用します。そこで登場するのが「ウラン」「プルトニウム」です。細かい解説は出来ませんが原理的には不安定なウランやプルトニウムに急激かつ連鎖的な核分裂反応を起こすように仕組まれたのが原爆です。広島に落とされた原爆の中心地の温度は4000度〜5000度くらいと言われており、ほぼ太陽の表面温度に匹敵します。恐ろしいですね。

・原子力発電の仕組み
原理的には原子爆弾と同じですが、こちらは核分裂反応がゆっくり進むように設計されており、長い時間エネルギーを放出してくれるので水を温めて水蒸気にしてタービンを回し電力を作るのです。
問題なのは使い終わった後の燃料です。核分裂反応はやがて弱くなるのですが、害がない程度に分裂反応がなくなるまで何万年もかかるのです。それまで人体に有害な「放射線」を出し続けます。私が高校生の時には、現代社会の教科書ではこの問題を取り上げて原子力発電には反対してました。

高校の教科書が!です。

 

・水素爆弾の仕組み
水素爆弾は「原子爆弾」「原子力発電」とは違った「核融合反応」によるエネルギー放射を使った爆弾です。核融合は核分裂反応より再現が難しく恒星の中心核のような「高温・高圧」な状態で電磁気力の反発力を上回る力で原子核同士を合体させなければいけません。細かい解説は割愛しますが、その状態を作るのに原子爆弾を使い内部に「高温・高圧」状態を作って核融合を再現します。更に上手く核融合反応が起こった後にもう一度原子爆弾を起爆するように仕組まれているので、原子爆弾の何千倍ものエネルギーを放ちます。
科学の発展は戦争と密接に関係しているのは残念ですが、そろそろ純粋に平和利用や建設的な利用を目的とした発展をして欲しいですね。
一つ希望が持てるのは水素爆弾で利用された「核融合」を使った発電所の建設です。核融合は「放射線」を出しますが、それは一時的であり、水素同士の核融合なら後に残るのはヘリウムだけです。まだ実用の域に達していませんが、実用化がされれば人類のエネルギー問題はほぼ解決されると言います。
個人的な見解ですが、エネルギー問題が解決すると人類の争いは減ると思います。エネルギーは物質の源であり、豊富でクリーンなエネルギーは食料問題、環境問題を解決します。安定的で豊富なエネルギーが全世界で利用できるようになれば無用な争いをしなくて済むと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Return to Top ▲Return to Top ▲