ゴールラインテクノロジーに喝!

今やプロのサッカーの試合やW杯ではお馴染みになりつつあるゴールラインテクノロジーですが、私は未だに腑に落ちない抵抗感があります。
それは2つの理由によります。一つ目は極めて人間的な視点での見解によるもので二つ目は科学的視点からの見解によるものです。
どちらかというと二つ目の理由の方が強いかも。


まず人間的な視点での話から。
これは極めて個人的な意見になりますが、誤審も含めてサッカーと私は考えます。完全な人などいないし、完全なジャッジなど存在せず、ミスジャッジに一時的に憤っても、歴史の一幕と後になって受け入れられる社会の方が良いと思うからです。
他に例えて言えば、仕事でミスを決して許されない会社と叱られはしても仲間に励まされ次のチャンスを与えられる会社みたいなものです。
後者は心に余裕があるので変化対応出来る可能性は高いと思います。

一方でキチキチに物事を推し進めたり、全ての判断が白黒はっきりした会社は一見小気味良い感じがありますが、実は変化に弱かったりします。
それに私自身完全ではなくミスをする人間だという自負があります。自慢する事じゃ無いですがw


問題は科学的視点で見た場合のゴールラインテクノロジーは非常に多くのパラドックスを抱えた深い話になります。


まず、サッカーにおけるゴール判定の定義を解説します。


イラストのように①はゴールラインを明らかに超えているので「ゴール」です。これは意見が分かれる事なく納得でしょう。③もゴールラインを超えてないので「ノーゴール」の判定に意義を唱える事も無いと思います。問題は②のオンラインの「ノーゴール」判定です。
FIFAの決めたルールでは空中でもボールがゴールラインのオンライン上にあればゴールとは認められないと定めてありますが、ではこの「オンライン」とはどういった状態を指すのでしょう?
科学的に見てもこれは相当に難問です。ドットで構成されるコンピューターゲームなら点と点が重なる判定も容易でしょう。ですが、サッカーの試合は現実の空間で行われる競技です。ボールがラインに触れているという状態はどのスケールで判断するのでしょうか?カメラの解像度のレベル?原子レベル?素粒子レベル?そもそもラインに触れているとはどういった状況なのでしょうか?
数学の世界では「線」「点」太さや大きさを持たないものとされています。素粒子物理学の世界でも素粒子である「電子」は大きさの持たない存在と考えられています。

オンライン判定を厳密にするならこの素粒子レベルの判定が妥当でしょう。ですが、ここで一つの矛盾が生じます。大きさの無いものが重なる状態を観測出来るのでしょうか?実は物理の世界でもこの問いに関する答えは出ておりません。
根源的に空間や物質のスケールに最小単位があるのかどうかもわかっていないのです。「プランク長」という単位が最小という科学者もいれば、最小単位など存在しないと主張する科学者もいます。実験でもそのスケールは観測出来ないので理論的にも技術的にも判定不能です。白黒はっきりさせたつもりが実は非常に曖昧な現実を孕んでいるのは皮肉な話です。「玉虫色」と揶揄される日本でも最近は白黒はっきりさせる傾向があるようですが、人間の自然に対する理解などまだまだ進んでいない現実を踏まえると「完全主義」はやめた方が良いと思う今日この頃です。

だって、人間だもの 〜相田みつを〜

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